ニュース

米国・精密洗浄事業会社の株式取得について

作成者: Kurita|Oct 16, 2018 4:36:00 AM

~国内精密洗浄事業とのシナジーを創出し、電子産業分野での市場競争力を強化~

栗田工業株式会社(本社:東京都中野区 社長:門田 道也)は、このたび、米国で精密洗浄事業を展開しているPentagon Technologies Group, Inc.(本社:カリフォルニア州、以下「Pentagon Technologies社」という)の株式取得に関する契約を締結しました。出資金額は50百万USドル(約56億円)で、発行済株式の25%を取得することで同社は当社の持分法適用会社となります。今後は残り株式についても取得を進め、子会社化していく方針です。

当社グループは、日本、アジア、欧州、北南米の世界4極体制の確立により、海外事業の飛躍的拡大を目指しており、本出資は戦略市場である米国での事業強化の一環として実施するものです。また、重点事業領域の一つと位置付ける電子産業分野において、海外におけるサービス事業の基盤を獲得して市場競争力をより一層強化するとともに、Pentagon Technologies社の最先端洗浄技術およびノウハウを取得し、当社グループが展開する国内精密洗浄事業とのシナジーを創出することで、事業成長のさらなる加速と新たな価値提供の実現を目的としています。

精密洗浄は、半導体製造プロセスで使用する装置等に付着した微粒子やイオン状物質を除去する洗浄サービスですが、極めて高い清浄度が求められるため、安定的な製品の製造に支障がないレベルまで除去するには非常に高度な技術が必要となります。半導体デバイスの小型化(微細化)と生産拠点のグローバル化が急速に進展する中で、製品の歩留り向上や製造コストの削減に寄与する精密洗浄技術の重要性は一段と増しており、当社では、精密洗浄事業についても、お客様の技術の進化に対応し、グローバルな事業展開を推進するための体制強化を図ることとしました。

1998年に創業し、米国カリフォルニア州に本社を構えるPentagon Technologies社は、テキサス州やオレゴン州、ニューヨーク州などに精密洗浄工場および開発・サービス拠点を有し、米国を中心に、約20年にわたり精密洗浄事業を展開してきました。最先端の洗浄技術(*)の開発、ならびにお客様の製品品質の向上と環境負荷低減に寄与する独自の洗浄方法(*)を追求してきた同社は、米国に製造拠点がある大手半導体メーカーおよび半導体製造装置メーカー向けのサービス提供に注力しており、半導体製造装置のリーディングカンパニーより「認定洗浄工場」の指定を受けるなど、半導体精密洗浄市場において確固たる顧客基盤を確立し、世界的にトップクラスのシェアを有しています。

当社グループでは現在、クリテックサービス株式会社が精密洗浄事業を展開しておりますが、両社の技術・サービスを融合し、精密洗浄のグローバルサプライヤーとして付加価値の高いソリューションを提供することで、顧客親密性をさらに高め、継続的な成長と海外での新たな市場開拓を目指します。また、米国においては当社グループの海外事業会社との協働により、さらなる事業領域の拡大を図っていきます。

今後もクリタグループは、成長が見込まれる地域・市場分野において、自律的成長に加え、M&Aや戦略的パートナーとの事業提携等を通じて成長機会を拡大し、新たな価値を創出する総合ソリューションをお客様に提供してまいります。

(*)Pentagon Technologies社は、各種製造装置の種別(新品や既存品)や、汚れ方等に応じた、最適な洗浄技術・洗浄方法を有している。特に、新規製造装置を対象とした洗浄に関わる豊富な実績・ノウハウを持ち、半導体製造装置表面微粒子の測定機の開発、クリーンルーム関連サービス提供と併せて、お客様の工場における生産性向上や環境負荷低減の実現に貢献している。

Pentagon Technologies社の概要

社名 Pentagon Technologies Group, Inc.
設立 1998年
売上高 2017年実績:84.8百万USドル
本社所在地 米国カリフォルニア州
事業内容 精密洗浄事業、半導体製造装置表面微粒子の測定機の開発、クリーンルーム関連コンサルティングサービスなど
従業員数 約700名