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「生産性操業効率及び環境衛生向上システム」が紙パルプ技術協会の「佐々木賞」を受賞

2019年10月8日

    栗田工業株式会社(本社:東京都中野区 社長:門田 道也)は、製紙・パルプ産業向け「生産性操業効率及び環境衛生向上システム」が、紙パルプ技術協会の「佐々木賞」を受賞したことをお知らせします。

    紙パルプ技術協会は、紙パルプおよび関連産業の技術・学問の交流を通じて、産業の発展を図ることを目的に設立され、製紙会社、関係官公庁、国公立研究機関、独立行政法人、製造設備・薬品に係るサプライヤー等が加盟しています。当社が受賞した佐々木賞は、本団体が技術開発・研究開発において顕著な成果を収め紙パルプ業界に貢献した企業や事業主を表彰するもので、本業界における最も権威ある賞の一つです。今年度は当社を含めて3社が受賞しました。

    紙の製造プロセスは、紙の原料となるパルプをつくる原料工程、パルプから紙をつくる抄紙工程があります。各工程では大量の水が使用されますが、循環利用する過程で微生物が発生します。製紙工場では、微生物に起因する問題が製品品質や生産自体にも影響を及ぼすため、「スライムコントロール剤(*)」を使用するケースが一般的ですが、原料等の貯留タンク内の滞留物が微生物により腐敗することで、スライムコントロール剤の処理効果が低下し、製品品質の低下や水質悪化による臭気発生等のリスクが顕在化していました。

    今回、受賞対象となった当社システムは、従来のスライムコントロール剤処理に加え、同薬剤を効果的に作用させるため当社独自の「エアレーション技術」を新たに組み合わせたものです。貯留タンクの底部に原料等が滞留しないよう、タンク内を攪拌することで処理効果を大きく高め、紙製造工程における様々な障害を抑制します。さらには、当社独自のセンシング技術を活用した水処理管理サービス「S.sensing®」を適用することで、各工程の水質を連続的に監視・制御し、スライムコントロール剤の添加量を最適制御します。
    水処理薬品および装置、センシングを融合した本システムは、お客様の製品歩留まり改善や紙・板紙の品質向上など生産性に直結する価値を実現し、臭気防止による環境衛生向上に寄与します。また、スライムコントロール剤添加量の最適化により、過剰注入による薬剤コストの上昇を抑え、操業に係るコスト削減も可能とします。今回の表彰では、これらお客様の総合的な課題解決を実現したことが高く評価されました。

    クリタグループは、中期経営計画「MVP-22(Maximize Value Proposition 2022)」において、顧客価値を創出する商品・技術・サービスを結集した総合ソリューションを提供し、社会との共通価値の創造を目指しています。
    「生産性操業効率及び環境衛生向上システム」は、製紙・パルプ産業における総合ソリューションとして、既に国内の十数工場で採用実績があります。今後は、段ボールや家庭紙(ティッシュペーパー等)、洋紙(新聞紙等)等、製紙工場主体に適用を拡大し、国内外における本産業向けの事業展開を強化していきます。

    (*)スライムコントロール剤:水中の細菌や藻類など微生物により形成された汚濁物による障害を防止する水処理薬品

    <補足資料>

    「生産性操業効率及び環境衛生向上システム」の概要

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