栗田工業株式会社(東京都中野区、社長:江尻 裕彦)と、Fracta Leap株式会社(東京都新宿区、社長:北林 康弘)は、両社が共同で取り組む「メタ・アクアプロジェクト*1」にて、環境省の「革新的な省CO2型感染症対策技術等の実用化加速のための実証事業*2」を進めてまいりましたが、この度、同実証を完了しましたのでお知らせします。
同実証は、「AI運転操作判断システムによる逆浸透膜(RO膜)装置*3の運転最適化」がテーマであり、過去データなどに基づき装置運転をAIで最適化することで、運転コストとCO2排出量を同時に削減することを検証しました。具体的には、「AI最適運転」ソリューションの適用で、従来の人手による運転方式と比較して、運転コストの約4割とCO2排出量の約1割を削減することが可能です(図1)。また、本ソリューションは技術としても独自性・新規性を有しており、既に両社で共同特許を取得しています。
【図1 RO膜を対象とした「AI最適運転」の概要】
また、同実証の手順としては、2022年11月から2023年1月にかけて、電子産業関連プラントにて、「通常運転」時と「AI最適運転」時の消費電力量を比較する形で実施されました(図2)。その結果として、CO2排出量の削減率が目標値に達することが確認され、本ソリューションの効果が実証されています。
【図2 今次実証の結果: 消費電力の推移】
【図3 今次実証の対象となったRO膜装置】
今後、クリタグループでは、「AI最適運転」ソリューションを、国内外の脱炭素化を推進されるお客様を中心にご提供してまいります。また、この他にも、社会・産業の課題解決に向けた節水、CO2をはじめとする温室効果ガス(GHG)排出量削減、資源循環に寄与するソリューションをご提供しています。(図4)。詳細については、栗田工業Webサイト(https://kcr.kurita.co.jp/)よりお問い合わせ下さい。
【図4 クリタグループの環境負荷低減のソリューション群】
なお、Fracta Leapでは、事業成長に伴って体制を拡充しており、アーキテクト/テックリード、数理最適化エンジニア、データエンジニア、プロダクトマネージャー、事業開発リーダーなどのプロフェッショナル人材を積極的に採用しております。
注
※1「メタ・アクアプロジェクト」… 持続可能な水処理インフラの実現に向けて、デジタル技術による産業変革を目指すFracta Leapと栗田工業の共同プロジェクトです。AI・IoT技術などを用いて、水処理プラントの設計・生産及び運転管理のスマート化(効率化・高度化)を推進しています。なお、同プロジェクトでは、本リリースの「AI最適運転」に関連して、内閣府主催の「日本オープンイノベーション大賞」の環境大臣賞を受賞しています。
※2「革新的な省CO2型感染症対策技術等の実用化加速のための実証事業」… 日本の温室効果ガス削減に係る目標の達成に向けたデジタル技術を活用したグリーンソリューション創発支援と、「ポスト/With コロナ」社会に向けた安全・安心な衛生環境創出支援を組み合わせた環境省の実証事業です。
【栗田工業の概要】
会社名 | 栗田工業株式会社 |
所在地 | 東京都中野区中野四丁目10番1号 |
代表取締役社長 | 江尻 裕彦 |
事業内容 | 水処理薬品・水処理装置の製造・販売、水処理装置のメンテナンス、超純水供給 |
WEBサイト | https://kurita-water.com/ |
【Fracta Leapの概要】
会社名 | Fracta Leap株式会社 (フラクタリープ) |
設立 | 2020年5月(米国AIスタートアップ Fractaが子会社として設立) |
所在地 | (東京オフィス) 東京都新宿区新宿2-8-15 パークフロント新宿 3階 (川崎ラボ) 神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1 KSP東棟 207 |
代表取締役 | 北林 康弘 |
事業内容 | 水処理インフラの問題解決に貢献するデジタル技術・製品の開発 |
WEBサイト | https://fracta-leap.com/ |