栗田工業株式会社(本社:東京都中野区、社長:江尻 裕彦)は、株式会社朝日新聞社および株式会社テレビ朝日が主催する「第21回 高校生・高専生科学技術チャレンジ(Japan Science & Engineering Challenge、以下「JSEC2023」)」に協賛し、水と環境に関わる優れた研究に対して「栗田工業賞」を贈呈しました。
高校生・高専生科学技術チャレンジ(JSEC)は、理数教育の増進に資することで科学技術水準の向上を目指し、全国の高校生と高等専門学校生を対象に2003年より実施されている科学技術の自由研究コンテストです。幅広い分野から研究作品を募り、専門家による書類審査とプレゼンテーション審査により優秀な研究を表彰しています。当社はJSECの活動趣旨に賛同し、社会貢献活動における次世代育成として2019年から協賛しています。
第21回となるJSEC2023では、全国の高校および高等専門学校から343の研究作品の応募があり、予備審査と一次審査を経て、2023年12月9~10日の2日間にわたり日本科学未来館で最終審査会が行われました。この結果、「栗田工業賞」には、静岡理工科大学静岡北高等学校の遠藤 碧海(えんどう・あみ)さん、梅原 明雅(うめはら・めいか)さん、八木 結希(やぎ・ゆうき)さんの研究「酸化マグネシウムとアルミニウム箔を組み合わせた放射冷却材の開発」が選ばれました。なお本賞の受賞者は、他のJSEC2023上位入賞者とともに2024年5月に開催される国際学生科学技術フェア「ISEF(International Science and Engineering Fair)」に日本代表として出場する予定です。また、前回に引き続きJSECのバーチャル3D会場がオンラインで開設されており(2024年5月末日まで視聴可能)、当社も「Kurita Sustainable Water Tour」と題し、世界の水資源の問題とその解決のための水処理技術の役割を学習できる内容などを展示しています。
今後当社は、同賞の副賞として受賞者と国内外の当社グループの研究者との交流会を開催する予定です。研究者たちから企業における研究開発の様子を直接聞く機会を提供し、受賞者の今後の研究活動やキャリア形成の一助としてもらいたいと考えています。
当社グループは引き続き、社会貢献活動における重点分野の一つである「次世代の育成」を推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
受賞者 |
静岡理工科大学静岡北高等学校 理数科1学年 遠藤 碧海さん、梅原 明雅さん、八木 結希さん |
研究名 |
「酸化マグネシウムとアルミニウム箔を組み合わせた放射冷却材の開発」 |
概要 |
海水由来の白色の物質の中で、酸化マグネシウムが特に温度上昇を抑制していることに注目して実験を進めたところ、酸化マグネシウム粒子の表面において赤外線の反射等によって温度上昇を抑制したという仮説を得た。放射温度計と接触温度計を用いて検証した結果、酸化マグネシウムは熱を8~13μmの波長域の赤外線に変換する放射冷却現象を起こすことが判明した。8~10μmの波長域の赤外線を透過しやすい性質を持つ二酸化ケイ素と組み合わせることで、酸化マグネシウムによる放射冷却で放出された赤外線が熱に変換されることなく、大気に放出させる放射冷却材を開発した。 |
JSEC2023表彰式の様子
「栗田工業賞」を受賞した静岡理工科大学静岡北高等学校 右から遠藤さん、梅原さん、八木さん
JSEC2023の表彰研究作品へのリンク
※WebGL2.0をサポートするブラウザ(Chrome, FireFox, Edge)をご使用の上、ご覧ください。