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JAXAの公募型企画競争「月面推薬生成プラントの実現に向けた水精製及び電気分解プロセスに関する要素試作試験等」に採択

2024年11月6日

    栗田工業株式会社(本社:東京都中野区、社長:江尻 裕彦、以下「当社」または「クリタ」)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」)が募集した「月面推薬(*1)生成プラントの実現に向けた地上実証プラントの概念設計及び要素試作試験(そのア~ウ)」における公募型企画競争のうち、「水精製及び電気分解プロセスに関する要素試作試験等」(以下「本業務」)に対し当社が行った提案がこのたび採択されましたので、お知らせいたします。

    中期的な月面経済圏の構築ならびに長期的な有人火星探査という目標に向けた国際的な宇宙への取り組みの初期段階として、月の近傍や月表面における探査の実現に向けた動きが国内外で本格化しています。米国ではNASAを中心する月面探査プログラム「アルテミス計画」が進められているほか、日本においてはJAXAが取りまとめた「日本の国際宇宙探査シナリオ(案)2021(*2)にもとづく、持続的な月・火星探査の実現に向けた研究開発が進んでいます。そのなかで、宇宙空間を移動する宇宙機の推薬となる液体酸素および液体水素を月面に存在するレゴリス(*3)(以下「月面レゴリス」)に含まれる氷や水から製造するプラントを、月面に建設し運用することを視野にした動きが本格化しています。

    今回当社が採択された本業務は、月面への推薬生成プラント建設に必要な要素(*4)のうち、月面レゴリスから抽出する水の精製および電気分解プロセスにおける以下の3点について、その水質を予測したうえで実際に超純水を精製する実験などを含む検討を実施し、取りまとめた結果を2024年度末にJAXAに提出する予定です。

    1. 1. 水精製及び電気分解プロセスに関する技術課題識別及び今後の実証計画検討
      2. 電気分解槽の許容純水度に関する調査検討
      3. 不純物を含む原料水の精製実験

    当社は、JAXAとの国際宇宙ステーション(ISS)における宇宙向け水再生システムの実証試験 (*5)をはじめ、長年培ってきた水処理分野における技術や知見の宇宙分野への適用を目指した取り組みを進めています。クリタグループは、今後も宇宙開発に携わるさまざまな官民と協業し、宇宙分野における水の回収・精製技術の開発や持続的な宇宙プラントの構築を通じ、人類の宇宙へのチャレンジの一翼を担っていきます。また、宇宙分野における研究開発などで得られる知見を活用して、地球上における社会や産業の課題解決に寄与できるソリューションを創出・提供をすることにより、持続可能な社会の実現へ貢献してまいります。

    注)

    *1: 推薬とは、主にロケットなどの宇宙機の推進に使用される可燃性の化学物質のこと。

    *2: 2022年4月27日付JAXAニュース「日本の国際宇宙探査シナリオ(案) 2021」を掲載しました」参照。

    *3: レゴリスとは天体の表面に存在する堆積物の総称で、月面レゴリスはきめ細かい砂のようなものであり、近年の観測によればこの中には氷や水が存在する可能性が示唆されている。

    *4: 本業務で想定する推薬生成プラントの検討においては、掘削、抽出、凝縮・精製、電気分解、液化、貯蔵、推薬充填等の要素が含まれる。

    *5: 2024年3月12日付当社ニュースリリース「当社の水再生システムの宇宙実証完遂に対し、JAXAから感謝状を受領」参照。

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