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JAXAの公募型企画競争「月面推薬生成プラントの実現に向けた 水精製及び電気分解プロセスに関する要素試作試験等」に2年連続で採択

2025年7月2日

栗田工業株式会社(本社:東京都中野区、社長:江尻裕彦、以下「当社」または「クリタ」)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」)が実施した「月面推薬(*1)生成プラントの実現に向けた地上実証プラントの基本設計及び要素試作試験等(そのア~ウ)」の公募型企画競争のうち、「水精製及び電気分解プロセスに関する要素試作試験等」(以下「本業務」)に提案し、採択されました。当社提案は、昨年度(2024年度)の「月面推薬生成プラントの実現に向けた水精製及び電気分解プロセスに関する要素試作試験等」(*2)に続き、2年連続での採択となりました。

国際宇宙探査の枠組みにおいては、人類の火星圏への到達という目標の初期段階として、月近傍や月面探査への取り組みが進められています。日本では、JAXAが取りまとめた「日本の国際宇宙探査シナリオ(案)2021」(*3)  にもとづき、月・火星探査に向けた研究開発が行われています。こうしたなか、月面における水資源利用の実現に向けて、月面にある氷を含んだレゴリス(*4) (以下「月面レゴリス」)から宇宙機の推薬となる液体酸素や液体水素を製造するプラントの建設を目指す動きが本格化しています。

本業務は、2024年度の概念設計の結果を踏まえ、月面推薬生成プラント建設に必要な要素(*5)のうち、月面レゴリスから抽出する水の精製や電気分解プロセスにおけるさらなる要素試作試験等を行うものです。当社は、シミュレーションにより性状を予測して製作した抽出水を用いた水精製実験や、電気電解槽の電解効率に与える原料水の不純物濃度の影響に関する長期試験を含む以下の3項目の業務を実施し、その結果は2025年度末にJAXAに提出する予定です。

1.    水精製プロセスに関する技術課題識別及び今後の実証計画検討
2.    水精製プロセスに関する要素試作試験
3.    電気分解プロセスに関する要素試作試験

クリタグループは、JAXAとの国際宇宙ステーション(ISS)における宇宙向け水再生システムの実証試験 (*6)をはじめ、長年培ってきた水処理分野における技術や知見の宇宙分野への適用を目指し、さまざまな取り組みを進めています。今後も宇宙開発に携わるさまざまな官民と協業し、宇宙分野における水の回収・精製技術の開発や持続的な宇宙プラントの構築を通じ、人類の宇宙へのチャレンジの一翼を担っていきます。また、宇宙分野における研究開発などで得られる知見を活用して、地球上における社会や産業の課題解決に寄与できるソリューションを創出・提供することにより、持続可能な社会の実現へ貢献してまいります。

以上

注)
*1: 推薬とは、主にロケットなどの宇宙機の推進に使用される可燃性の化学物質のこと。
*2: 2024年11月6日当社ニュースリリース「JAXAの公募型企画競争「月面推薬生成プラントの実現に向けた水精製及び電気分解プロセスに関する要素試作試験等」に採択」参照。
*3: 2022年4月27日付JAXAニュース「日本の国際宇宙探査シナリオ(案) 2021」を掲載しました」参照。
*4: レゴリスとは天体の表面に存在する堆積物の総称で、月面レゴリスはきめ細かい砂のようなものであり、近年の観測によればこの中には氷や水が存在する可能性が示唆されている。
*5: 本業務で想定する推薬生成プラントの検討においては、掘削、抽出、凝縮・精製、電気分解、液化、貯蔵、推薬充填等の要素が含まれる。
*6: 2024年3月12日付当社ニュースリリース「当社の水再生システムの宇宙実証完遂に対し、JAXAから感謝状を受領」参照。

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