栗田工業株式会社（本社：東京都中野区、社長：江尻 裕彦、以下「当社」または「クリタ」）は、株式会社 ispace（本社：東京都中央区、代表取締役CEO&Founder：袴田 武史、以下「ispace」）が行う月面探査プログラム「HAKUTO-R」（以下「本プログラム」）にコーポレートパートナーとして参画します。
当社は、ispaceが目指す、月と地球を1つのエコシステムとする経済圏の創出「Moon Valley 2040構想」に賛同し、2023年からサポーティングカンパニーとして本プログラムを支援しています。そしてこのたび、将来的な月面経済圏を見据えた水処理システムの開発をさらに加速させるため、本プログラムへコーポレートパートナーとして参画することとなりました。
宇宙空間や月・火星において人類が生活や活動をするためには水は不可欠です。また、宇宙空間を移動する宇宙機の推薬(*1)として使用する液体酸素および液体水素の製造に水処理技術の適用が計画されるなど、宇宙分野における水処理の重要性はますます高まっています。当社は、これまでに地上で培ってきた水処理に関する技術や知見を宇宙分野へ応用することを目指し、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（JAXA）と協働した国際宇宙ステーション（ISS）で使用する宇宙空間向け水再生システムの実証試験(*2)や公募型企画競争「月面推薬生成プラントの実現に向けた水精製及び電気分解プロセスに関する要素試作試験等」への採択(*3)に加え、宇宙環境での使用を想定した小型超純水製造装置の開発などに取り組んでいます。
ispaceは、月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした独自のランダー（月着陸船）とローバー（月面探査車）を開発し、民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指すほか、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行っています。現在は、本プログラムのミッション2（以下「本ミッション」）として、最速で2025年1月(*4)にランダーの打ち上げを行う予定であり、本ミッションで搭載される、本プログラムのコーポレートパートナーである高砂熱学工業株式会社の月面用水電解装置へ、宇宙環境を想定して設計・制作した装置で精製した超純水を当社から提供しています(*5)。
クリタグループは、本プログラムへのコーポレートパートナーとしての参画を通じ、ispaceをはじめとする宇宙開発に携わるさまざまな官民と協業することで、宇宙分野における水の回収・精製技術の開発や持続的な宇宙プラントの構築による、人類の宇宙へのチャレンジの一翼を担うことを目指してまいります。また、宇宙分野における研究開発などで得られる知見を活用して、地球上における社会や産業の課題解決に寄与できるソリューションを創出・提供をすることにより、持続可能な社会の実現へ貢献してまいります。
以上
注）
*1: 推薬とは、主にロケットなどの宇宙機の推進に使用される可燃性の化学物質のこと。
*2: 2024年3月12日付当社ニュースリリース「当社の水再生システムの宇宙実証完遂に対し、JAXAから感謝状を受領」参照。
*3: 2024年11月6日付当社ニュースリリース「JAXAの公募型企画競争「月面推薬生成プラントの実現に向けた水精製及び電気分解プロセスに関する要素試作試験等」に採択」参照。
*4: 2024年11月12日時点の計画。
*5: 2024年3月18日付当社ニュースリリース「高砂熱学工業が進める月面での水素・酸素生成ミッションに対し超純水を提供」参照。